
登山初心者や未経験者に向けた「お手軽登山の始め方」パート2。
前回は登山の「魅力」と「山の選び方」について解説した。
関連記事:山の選び方!重要な3つのポイント【お手軽登山の始め方①】
今回はお手軽登山に持っていく「装備」を解説していく。
登山装備とは
登山装備とは、身につける「ウエア」と、ザックに入れる「荷物」の2つに大きく分けられる。
どちらも登る山の難易度によって、装備内容が変わってくる。
高低差の高い山だと山頂へ近づくにつれて、気温も低くなり風が強くなる。
そのためウインドブレーカーやダウンジャケットの用意も必要。
登山口と山頂付近の天気も全く違うため、雨具は必須。
行動時間が長ければ、その分の食料と水分も増え、ザックの重量も上がることになる。
行動時間や内容によって、装備の内容や重量も変わってくるのだ。
自然に人間の常識は通用しない。
いくら予報や予測をしても、山では何が起こるか分からないのだ。
雨や強風、季節によっては雪なども想定した装備は必ず準備しておかなければならない。
登山装備は自分の命を守るために、非常に重要な役割りがある。
大きな山になるほど、しっかりとした知識と準備が必須になるのだ。
お手軽装備
少し脅した言い回しになったが、しっかりと初心者向けの登山ルートを選べば、重たい装備を用意する必要もない。
関連記事:山の選び方!重要な3つのポイント【お手軽登山の始め方①】
今回は「お手軽登山」がテーマなので、高低差が少なく約4時間くらいの行動時間として、登山装備を解説していく。
お手軽登山の季節
お手軽登山は「冬」を絶対に避けること。
分かると思うが、ウエア装備だけでも色々用意しなければならないし、持ち物も一気に増える。
気温が低く天気も崩れやすい「冬の登山」は難易度が高いのだ。
お手軽登山に最適な季節は4月〜10月が目安。
これはあくまで「目安」なので、山の標高によってはもっと短くなる場合もあるので注意が必要だ。
必ず登る山のリアルタイム情報を確認して、登山ルートを決めよう。
今回は、下記の登山ルート状況を仮定して解説していく。
- 暖かくなってきた4月
- 標高500m
- 行動時間4時間
- 高低差300m
- 登山道は歩きやすい
ウエア
暖かくなってきた4月頃なら「インナー」「ロンT」「薄手のアウター」
ボトムは動きやすいパンツ。
気温が高ければ「タイツ+ハーフパンツ」もおすすめだ。
お手軽な登山ルートなら、どれも登山専用でなくても問題はない。
今持っている服の中から「動きやすいウエア」を選んでみるといい。
「アウター」は体温調節のために、何度も脱いだり着たりする。
動いて暑くなれば脱ぐし、休憩中は汗が冷えて寒くなるので、また着ることになる。
そのため、アウターは「薄手」のモノがおすすめだ。
腰に巻いたり、ザックにも入れやすく扱いやすいアウターを選ぶといい。
登山靴
次に登山靴。
「お手軽な登山ルートだからスニーカーでOK!」なんてことは絶対にNG。
いくら整備された登山ルートでも、登り下りがあるため「滑りにくい靴」が大前提になる。
さらに湿った土や、濡れた木の根は非常に滑りやすくなっている。
天気のいい日を選んで登山したとしても、路面状況は「滑る」ことを前提に考えなくてはならない。
そのため「靴」だけは登山用を用意すること。
スニーカーは種類にもよるが、ソールが滑りやすいものが多い。
登山靴は基本的にソールに大きく凹凸のあるモノを選ぶことが重要になる。
ただし今回は「お手軽登山」がテーマ。
専門的な登山靴になると価格も高額で、必要以上のスペックになってしまう。
そのため、おすすめなのが「トレランシューズ」だ。
これはランニングシューズの「登山版」みたいな立ち位置になる。
価格も安価なモノも多く、普段でも履けるところがいい。
登山靴といえばブーツ的な見た目で、足首まで固定できるガッチリとしたイメージが強い。
これは長時間の登山や、高低差の大きいルートなどで性能を発揮するが、今回のお手軽登山ルートにはオーバースペックになる場合がある。
そのため整備された登山道を選べば、トレランシューズで問題ないだろう。
私も登山靴はいつもトレランシューズだ。
軽くて動きやすいので、ガッチリした登山靴よりもこちらの方が私に合っている。
ケガなく快適な登山のために、適切な登山靴を選んでいただきたい。
持ち物
次にザックの中の持ち物を解説していく。
今回は「お手軽」がテーマなので、昼食はカップ麺で食べる「山ラーメン」を想定する。
関連記事:登山初心者におすすめ「山ラーメン」カップ麺が絶品に!
お手軽登山なので、できるだけザックの重量は軽くいきたいところ。
登山において「必要最低限用意するモノ+食料」という形で解説していく。
必要最低限の装備
お手軽登山における「必要最低限」の持ち物は「ファーストエイドキット」と「雨具」になる。
何もなければ使わないモノだが、登山中のトラブルはいつ起こるか分からない。
転倒や滑落、急な天気の変化など、お手軽といえど自然が相手なので「絶対」はない。
ケガの応急処置と悪天候に対応できる装備品は必須になる。
ファーストエイドキットの具体的な内容は「絆創膏」「包帯」「滅菌ガーゼ」「テーピング」など。
あくまで応急処置なので、大掛かりな道具を準備することはないが、キット内容は各個人によって変わってくる。
ファーストエイドキットはさまざまな種類のセット品が市販されているので、何が必要か分からない場合はセット品がおすすめ。
ハサミやピンセットなども入っていて実用的で安心できる。
薬関係も服用している物があれば持っていこう。
胃薬関係は、常備している人も多く、持っていると安心感もある。
雨具は基本的に「カッパ」を使用する。
両手が使えて濡れることも少ないので、登山を続けるなら用意しておいた方がいい。
ただしコンビニなどに売っている、ポンチョ型の簡易的なカッパは動きにくく濡れやすいので、上下セットのカッパを選ぼう。
できるだけ薄い生地のカッパだと、収納スペースをとらずにザックに入れることができる。
食料
まず必要最低限の食料として「水」「行動食」が必須になる。
これは「昼食用」とは別で、登山の行動中に飲んだり食べたりする食料になる。
水分は季節によって摂取量が大きく変わるので、気温や行動時間によって、持っていく量を決めなければならない。
行動食はエネルギー補給するためのモノ。
少しつまんで食べられる「ナッツ」「シリアルバー」「ゼリー」「飴」などが定番だ。
登山は行動エネルギーを大きく消耗するので、上記の行動食は必須になる。
行動食は「コレが絶対にいい」というのはないので、自分の好みで選ぼう。
そして「昼食用」の食料。
今回はお手軽山ラーメンということで「カップ麺」と「お湯」を持っていく。
カップ麺はもちろん自分の好きな物を選んで問題はない。
ただし「残り汁」は山に捨てるのは絶対にNGだ。
飲み切るか、持ち帰る必要があるので、それも踏まえてカップ麺を選ぼう。
お湯は保温できる水筒を用意すること。
「お手軽山ラーメン」は下記の記事に詳しく書いてあるので、ぜひ参考にしていただきたい。
関連記事:登山初心者におすすめ「山ラーメン」カップ麺が絶品に!
コンビニなどでカップ麺を買う際に「袋」をもらっておくといい。
食べたゴミはもちろん持ち帰る必要があるので、そのコンビニ袋にゴミを入れて持ち帰ろう。
お手軽登山の装備まとめ
- 暖かくなってきた4月
- 標高500m
- 行動時間4時間
- 高低差300m
- 登山道は歩きやすい
- アウター(薄手)
- ロングTシャツ
- インナー
- 動きやすいパンツorタイツ+ハーフパンツ
- トレランシューズ
- ファーストエイドキット
- カッパ
- 水
- 行動食
- カップ麺
- お湯(水筒)
上記を基本に、準備しておけば「お手軽登山」の装備品は問題ない。
ただし何度も言うが「お手軽登山に向いている登山ルート」を選定した場合に限るので注意していただきたい。
参考記事:登山初心者向けの山の選び方!重要な3つのポイント【お手軽登山の始め方①】
これから登山をどんどん経験していけば、自分に必要な装備も分かってくる。
まずはこの装備ラインナップを参考に、楽しい登山を経験していただきたい。