
パチンコをやっていると勝てない時期というものがあります。そんなときは、店側の不正を疑いたくなるもの。
「大当たり確率は嘘じゃないのか」
「遠隔操作しているんじゃないか」
「あの店員は裏で悪いことをしている顔だ」
最後のはともかく、確率詐欺や遠隔操作というのは昔から言われていることです。実際のところはどうなのでしょう。
調べてみたら、やっぱりクロでした。何がクロなのかご説明します。
確率詐欺はあるのか?
現在のパチンコは、法律で釘以外の調整ができないことになっています。そのため雑誌等に乗っている当たり確率は、基本的に信頼するしかないでしょう。こう言うと、
「それならなぜ1/319の確率で大当たりが出る台を、319回以上まわしても大当たりが1回も来ないんだ!」
と思うかもしれません。そして、
「本当に雑誌に書いてある確率は正しいのか?」
「やっぱり確率詐欺なんじゃないか?」
そんな疑念を抱くのも自然なことです。
ですが、1/319の確率で大当たりが出る台を319回転させて当たりがゼロだったとしても、確率的にはなんの不思議もありません。
その理由は、パチンコが「完全確率」に基づいているからです。
完全確率
「完全確率?なんだか難しそう」
安心してください。決して難しいことではありません。例を挙げてご説明します。
福引きを思い浮かべてください。ガラガラ(正式には新井式回転抽選器と言うそうです)の中には319個の玉が入っています。大当たりは金色の玉1個のみ。つまり大当たり確率は、1/319です。
お客さんがガラガラをまわすと、玉が1個出ます。319個の中から1個を取り出すので、確率は1/319です。残念。白玉なのでハズレです。出た玉をガラガラに戻さず、続けてまわすと中に入っている玉の数は318個なので、大当たり確率は1/318になります。また、白玉。なかなか大当たりは出ません。
しかしこれを繰り返せば、319回以内に必ず大当たりが出ます。当たり前ですよね。たとえ318回やって出なかったとしても、ガラガラの中にはもう金色の玉1個しか入っていません。もう一度まわせば、必ず大当たりです。
それでは、次の場合はどうでしょう。
福引きを引くたびに、出た玉をガラガラの中に戻します。すると、ガラガラの中には常に319個の玉が入っていることになりますね。と言うことは、1回目でも319回目でも金色の玉が出る確率はいつでも1/319です。319回まわそうと3190回まわそうと、決して大当たりが出やすくはなりません。
後者のように「確率が他の事象の影響を受けず、常に同じ」であるとき、それを「完全確率」と言います。パチンコは完全確率なので「何回まわしても当たりが来ない」からと言って不思議はないのです。
ちなみにパチンコが完全確率であることを前提にして、どうすれば勝てるのかについては、以前書いた「期待値」についての記事を参考にしてください。
遠隔操作している?
完全確率について知っても、納得がいかないかもしれません。
「完全確率なら不思議じゃないとしても、そもそも本当に完全確率なのか」
「遠隔操作されたら確率も何もない」
「遠隔操作とまではいかなくても、大当たり確率をいじる位やっているはずだ」
たしかに遠隔操作をされては、どうしようもありません。実際に摘発されたパチンコ店もあります。有名なのは、横浜の「ボナンザ」でしょう。
遠隔操作はあるのか
「実際のところ、遠隔操作はあるのか」
そう聞かれれば「一部の店では現在でもある」というのが答えです。
ただし極わずかであることに注意してください。というのも理由は2つあります。
1つ目は、遠隔操作装置が警察の摘発対象だということ。
摘発されれば、その店は数ヶ月の営業停止処分になります。再開したとしても悪いイメージがついていますから、お客さんを取り戻すのは至難の業です。もしも系列店だったとしたら、グループ全体の信用失墜につながります。
少なくとも系列店なら、こんなリスクは犯さないでしょう。逆に言えば、単独店ならやりかねないということでもあります。
2つ目は、摘発対象外の装置が存在することです。
そもそも遠隔操作装置とはどういったものかというと「特定の台を狙ってリアルタイムで大当たりを操作できる装置」のことを指します。一方、摘発対象外の装置は「特定の台を狙ってリアルタイムで大当たりを操作できない装置」のことです。
つまり「特定の台は狙えないけれど、複数の台をグループにして、そのグループの確率を操作」したり「リアルタイムでは無理だけど、設定したタイミングで大当たりを出やすくする操作」をしたりすることはセーフなんです。
わざわざリスクの高い遠隔操作装置を導入する必要はないということがおわかりでしょう。
ホールコンピュータ(ホルコン)
「摘発対象外の装置って、ひょっとしてホルコンのことか!」
そう思ったあなたは勘が鋭い。
もっとも有名な摘発対象外の装置と言えばホールコンピュータ、通称ホルコンです。
ホールコンピュータは「ホール運営に必要な入出玉管理や売上管理を一括して行うシステム」のことを言います。そもそもは管理業務をサポートするためのもので、確率を操作するための装置ではありません。ですが、現代のホルコンには大当たりを制御する機能が備えられています。
このホルコンによる大当たりの制御方法は、以下のようなものです。
まず、向かい合う2列の台(合計40台程度)を一つのグループとします。このグループを「島」と呼ぶこともあるようです。
その「島」を、さらに3台〜6台のグループに細分化します。ホルコンは、このグループごとに大当たりを制御するのです。
具体的にはどうするのでしょうか。
ホルコンは島単位でその日の還元率を決定します。そして各グループを、島に設定したのと同じ還元率になるように制御するのです。例えばグループ内に大当たりしている台があれば、他の台は当たりにくいようにします。逆にグループ内に大当たりしている台が1つもなければ、大当たりが出やすくするのです。
やっぱりパチンコ店はクロだったのです。
クロだから勝ち目なし?
「ホルコンで操作されたら勝ち目がないじゃないか」
「結局確率詐欺なのか」
たしかに確率が操作されていては、どうしようもないように思えます。
しかしよく考えてみてください。ホルコンが制御しているのは、島単位・グループ単位です。どの台とどの台が同じグループかを見極めれば「このグループはあの台が当たっているからやめておいたほうがいい」「あのグループはしばらく当たりが出ていないからそろそろ出るはずだ」という判断ができます。
また大当たりが出やすくなっているとは言っても、大当たり確率がアップしているというだけなので必ず出るとは限りません。例えば1/319の確率が1/200にアップしても、完全確率ですから何回転させても出ないということは十分考えられます。
ですから、たとえ確率が操作されていても期待値に基づいた戦法は有効です。「雑誌等に載っているボーダーラインのプラス2~3の台を打つ」これが基本であると覚えておいてください。
まとめ
- 確率は操作されている
- 操作された上で完全確率である
- 操作単位を見極める
これがこの記事のまとめです。
確率が操作されている以上、漫然と打っても勝てません。しかし、確率操作は遠隔操作と違ってつけ入る隙があります。つけ入る隙がなかったら、とっくに摘発対象になっているでしょう。
勝つために全力を注ぐか、余暇の楽しみと割り切るか、それともキッパリとやめるか。それはあなた次第です。
いずれにせよ、あなたの人生がより充実したものになることを祈っています。